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チョコレート

 チョコレート(2001 米)をDVDで見た。Halle BerryとBilly Bob Thorntonの共演で、Halle Berryが黒人女性として始めてアカデミー主演女優賞を受賞したことで話題となった作品だ。ごく大雑把に、かつありがちな言葉で要約すると、「喪失と解放、そして再生の物語」といったところか。(以下あらすじ、ネタバレまくり)

 舞台は黒人差別が根強く残るアメリカ南部。Billy Bob Thornton演じる主人公ハンクは、父、息子と三代続く看守の家系。一方、Halle Berry演じるレティシアはハンクの勤める刑務所に服役している死刑囚マスグローヴの妻。マスグローヴの死刑執行が行われるが、ハンクの息子にとっては始めての死刑執行であり、失態を演じてしまう。そのことをハンクに責められ、息子は自殺してしまう(驚いた!)。夫を失ったレティシアは、さらに交通事故で息子を失う(驚いた!)。この事故現場にハンクが通りがかり、二人は出会う。お互い愛する者を失った喪失感を舐め合うように、二人は結ばれる・・・。

 ストーリー自体は単純であっけない(かつ御都合主義的だ)が、底辺に流れるテーマは奥深い。人種差別、男女差別、親子の確執、男女の愛。この映画の原題は"Monster's Ball(怪物の舞踏会)"で、死刑執行前日に看守たちが行う宴会のことを指すらしい。邦題の「チョコレート」は、主人公のハンクが、行きつけのダイナーでいつもチョコレートアイスとブラックコーヒーを頼むことから来ていると思われるが、これも黒人に対する暗喩として効いている。人種差別の問題と言うと、我々日本人にはパッとこないが、アメリカ人にとっては密接な問題なのだろう。冒頭近くに、死刑執行の演習として、看守同士で死刑台に拘束する練習をするシーンが出てくるのだが、そこで死刑囚の役割を当てられるのがさりげなく黒人看守だったりする(この死刑執行前後のディティールがよく描かれている)。

 あっさりした幕切れにあっけにとられる(含蓄という奴か)が、なかなかいい映画だった。

 言い忘れたが、Halle Berryが体当たりでガチンコでした。これにも驚かされた。

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