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椿説弓張月

三島由紀夫が昭和四十四年に国立劇場で作、演出した新作歌舞伎で、初演で高間太郎を演じた猿之助が主役の為朝を演じ演出を担当、玉三郎が初演で評判を撮った白縫姫を再演、勘九郎が高間太郎と悪女阿公を演じるほか一座総出演の舞台である。

歌舞伎座パンフレットより)

本日見に行ってきたので登録。

この舞台の最大の見せ場は中の巻(第二幕)で、玉三郎演じる白縫姫が為朝を裏切った武藤太をなぶり殺しにするシーン。

褌一丁で後ろ手に縛りつけられた武藤太が、雪の降りしきる中、竹釘を体に木槌で打ち込まれる。竹釘が打ち込まれる度、血潮が体を伝い雪を真紅に染める。

姫はその間中琴を奏でている。琴の調べと武藤太の断末魔の叫びが相まって、凄絶なる残酷美を呈するのであった。

歌舞伎だからこそ許されるサディスティックな描写は、いかにも三島的。三島が愛した「聖セバスチャン殉教図」を思わせる構図です。

三島はこの場面を描きたいがために、この芝居を書いたに違いない。

この他にも、勘九郎演ずる高間太郎の切腹シーンでは、血糊が噴水のごとく飛び散ったり、巨大な怪魚が舞台狭しと動き回ったり、最後には猿之助歌舞伎お約束の宙乗りありと、非常に楽しめる芝居でした。

26日まで。歌舞伎座にて。

画像は、横尾忠則によるポスター。5000円にて購入。

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